みなさんは、「ニーズ」という言葉は知っていますよね?この言葉は、マーケティングにおいてはとても重要な用語なんです! ビジネスをやっていく上で、顧客のニーズを知ることは最も大切なことだといわれています。
商品やサービスが売れるのは、一人一人の人間が欲しいと思って選択してくれる結果であり、その思いや理由を知ることで、よりよい成果が期待できると考えられているからです。 今回はこの「ニーズ」という用語やそれに関連する用語について詳しく解説していきます。
「ニーズ」の意味・定義
ニーズとは、「人間の感じる欠乏状態」(経営学者コトラー著『マーケティング原理』より)つまり、「何か」が不足している状態のことを言います。
- お腹がすいた
- 喉が渇いた
- 寒い
- 寝不足だ
- 治安が良い所で暮らしたい
- 恋人がほしい
- 部下に尊敬されたい
- 自分に合った仕事につきたい
「ニーズ」と「ウォンツ」
「ニーズ」とセットで覚えたいのが「ウォンツ」という用語です。 「ウォンツ」は「ニーズ」がより具体化された状態を言います。どういうことかイメージしやすくするために具体例を出します。
【例2】 お腹がすいた = ニーズ 吉野家の牛丼が食べたい = ウォンツ
「ウォンツ」と社会・文化の関係
ところで、喉が渇いたとき手元に何もなく、お店で買うしか無いとなったとき、とりあえず欲しくなるものが頭に浮かびます。それが「ウォンツ」ですが、実はこれって育った環境にすごく左右されてるんです。
喉が渇いたときに、「コカコーラ」を飲みたいとか「伊右衛門」が飲みたいとか思うのは、「コーラ」と「伊右衛門」が容易に手に入る文化圏にいるから成り立つ話なんです。コーラや緑茶飲料が無いところに行けばそうは発想できませんから。
ニーズが具体化するときは、「お腹がすいた」といった生理的なニーズを除き、顧客の属す社会の影響を受けるということは頭に入れておきましょう。
コトラーも「ウォンツは人間の持つ固有の文化・パーソナリティによって形成されるニーズの【表現】である」と著書に書いています。商品企画の現場で顧客のニーズを探るときに、一度はこの文化・社会という視点を思い出すといいと思います。
もう一つ例を出しましょう。 「祝い事があったときアルコールを飲みたくなる」というニーズがありますね。たぶん、世界のほとんどの人がこのニーズは持っていると思います。 しかし、具体化して、どのようなウォンツ(具体的なお酒の銘柄など)になるかは社会・文化によって違います。
国によって飲むお酒は様々です。ビール、ワイン、ウオッカ、リキュールなどいろんなパターンが考えられますね。日本の場合は日本酒、ビールでしょうか。
「ニーズ」は2種類ある!~顕在ニーズと潜在ニーズ~
「ニーズ」という言葉をもう少し細かく見ていくと、2つの言葉に分けることができます。
①顕在ニーズ→客がすでに自覚しているニーズのこと
②潜在ニーズ→客がまだ自覚していないニーズのこと
売り出した後、実物をみて、欲しくなり購入したんですよね。購入した理由はいろいろあったと思います。 デザイン、操作性、話題性などなど・・・。しかし、間違いなく、買う前はiPhoneのような商品へのニーズは持っていませんでした。空想すらできなかったと思います。 このように、顧客は気づいていなかったが、実際の商品やサービスを見て、ニーズが確認できた場合、そのニーズのことを「潜在ニーズ」といいます。
この「潜在ニーズ」がわかれば、ひょっとしたら大きなビジネスチャンスとなる可能性があります。「潜在ニーズ」を見つけることはマーケティングの重要な目的の一つとなっています。
まとめ
今回出てきた用語を整理してみました。
- 「ニーズ」の意味・定義 →「何か」が不足している状態。
- 「ウォンツ」→「ニーズ」がより具体化された状態。文化や社会によって決まる。
- 「ニーズ」の種類
①顕在ニーズ=顧客がすでに気づいているニーズ
②潜在ニーズ=顧客がまだ気づいていないニーズ